札幌で民泊をはじめたい、申請したい

近年、札幌のホテルの宿泊費が異常に値上がりしていて、普通のビジネスホテルが1泊2万円する…というニュースが報じられ、こんなに宿泊費が高いなら、民泊をはじめたら副業として儲かるかも!と考えた方も多いでしょう。

札幌で民泊(簡易宿所)をはじめるためには、札幌市に申請する(許可を得る)必要があります。その手続きを代行する行政書士事務所です。

 

札幌市の民泊の状況は??

札幌市では最新の民泊の利用状況をホームページで公開しています。【札幌市内の民泊の宿泊(営業)実績について

これによれば、昨年の夏(令和6年8月1日から9月30日までの61日間)で11万5743人も民泊に宿泊したことがわかります。1日あたり、1897人の方が札幌市の民泊に宿泊した計算になります。すごいですね。

国別では日本からが約50%、韓国からが18%、台湾からが8%、中国からが6%と続いています。インバウンドのイメージが強いですが、意外と日本からの利用者が多いようです。

ちなみにマレーシアとインドネシアの冬の利用者(令和6年2月1日から3月末までの60日)は合計2000人。これに対し、夏の61日間では合計542人。東南アジアの暑い国からは夏ではなく、札幌雪まつりのある寒い時期に人気があるようですね。

 

民泊をはじめるには手続きが必要

ご存知かと思いますが、民泊をはじめるためには手続き(許認可)が必要です。観光都市である札幌市ではかなり詳しい情報をホームページで公開しています。【札幌市民泊ポータルサイト

例えば『札幌市民泊の手引き』だけで42ページ、『民泊安全の手引き』が18ページあります。抜粋すると、非常用照明器具が必要がどうか、こちらのように書かれています。

以下a)~c)のいずれかに該当する居室は不要

a) 下記全てを満たす居室 ・避難階又は避難階の直上、直下階の居室であること ・採光に有効な開口部の面積の合計が居室の床面積の1/20以上であること ・避難階では、居室の各部分から屋外への出口に至る歩行距離が30m以下、避難階の直上、直下階では居室の各部分から屋外への出口等に至る歩行距離が20m 以下であること

b)床面積が30㎡以下の居室で、地上への出口を有するもの

c)床面積が30㎡以下の居室で、地上まで通ずる部分が下記のいずれかに該当するもの ・非常用の照明装置が設けられたもの ・採光上有効に直接外気に開放されたもの

引用元:札幌市 民泊安全の手引き

これをすべて読んで、理解することは本当に大変です…。

 

札幌市では独自のルールもある

札幌市では条例(その市町村や都道府県だけのルール)により、「小中学校等の敷地の出入口(正門等)の周囲100mの範囲」や「住居専用地域(第一種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種低層住居専用地域及び第二種中高層住居専用地域)及びこれに準ずる地域」では、営業日数がさらに制限される場合があります、とされています。

近くに小中学校や団地がある場合、必ず事前に確認しましょう

札幌市の場合、札幌市民泊総合窓口(札幌市中央区北1条西2丁目2-1北海道経済センタービル7階)が相談先です。

 

民泊をはじめるには消防設備について知るべき

民泊をはじめるために大切なことは、消防用設備について知ることです。例えば、一戸建てで民泊をはじめる(家主不在型)の場合、旅館やホテルなどの宿泊施設と同等の対応が必要となります。

自動火災報知設備、誘導灯、防炎物品などについて適切に対応しないと、民泊をはじめることができません。また消防用設備等の点検が年に2回、報告が年に1回必要です。

必ず、民泊をはじめる前に、消防署に相談しましょう。

 

民泊をマンションではじめる?戸建てではじめる?

マンションの一室で民泊をはじめる場合、そのマンションで民泊営業をしていいのかが大きなポイントです。通常のマンションでは民泊を含む、事業を禁止しています。もし、マンションの一室で民泊をはじめるのであれば、必ず事前に確認しましょう。

もし、ご自身が所有する戸建てやアパートなどで民泊をはじめる場合は、この心配はありません。ただ、180日ルールを考慮し、「簡易宿所」で営業した方が良いかもしれません。

 

180日ルールってなに?

これもご存知かもしれませんが、民泊は1年間で180日までしか営業することができません

しかし、「簡易宿所」や「旅館」として登録することができれば、365日営業することができます

この「簡易宿所」などで登録するためには、民泊よりも厳しい要件が必要になります。(要件は長いので書きません)

ただ、戸建てであれば、「簡易宿所」として営業している施設もたくさんあります

 

札幌市の簡易宿所の状況は?

札幌市のホームページでは【札幌市の環境衛生営業施設一覧】の中で【旅館(ホテル・旅館等)】という情報を公開しています。

これによれば、令和6年末時点で、74軒の簡易宿所が登録されていて、それぞれの施設を検索してみると「無人ホテル」「ハウス ホテル」と表記されています。おそらく一般の方は、戸建ての民泊との違いが分からないと思います。

簡易宿所というと、他の宿泊客と一緒に泊まる施設…というイメージがありますが、戸建ての民泊と同じように1グループだけに貸す専用でもOKなのです。そして、民泊と同じように管理者が無人でもOKです。

 

簡易宿所は厚生労働省もオススメしている!?

厚生労働省のホームページには【民泊サービスを始める皆様へ ~簡易宿所営業の許可取得の手引き~】というページがあります。

しかし、住宅宿泊事業(民泊)については、年間180日以内の実施制限(中略)があることから、180日を超えて民泊サービスを行うためには、(簡易宿所などの)許可を受けることが必要です。

(簡易宿所の許可のために)この手引きが旅館業許可取得の一助となると幸甚です。

引用元:【民泊サービスを始める皆様へ ~簡易宿所営業の許可取得の手引き~

このように、厚生労働省でも「民泊は180日までしか営業できないから、可能であれば簡易宿所も考えてみては?」というようなことを書いています。(多少、意訳です)

もし、これから戸建てや所有するアパートなどで民泊をはじめるのであれば、簡易宿所についても知っておくことをオススメします

 

個人でやる?法人化する?税金は?

長くなったので、ここからは簡単に。

民泊をはじめる場合、個人で営むのか、法人化して営むのかも決める必要があります。法人化するのであれば、会社を設立することになります。どちらにしても、確定申告や決算など、税に関する手続きが必要になります。そのために、帳簿をつける必要もあります。

実際に営業するにあたり、管理会社に委託するの?自分で管理するのか?その場合、シーツの洗濯や掃除はどうするのか? どの民泊サイト(airbnb、ステイジャパン、エアトリ民泊など)に登録するか? 180日ルール内で行うのであれば、どの季節に行うか。価格をどう設定するか…。

 

まとめ

ここまでお読みいただき、いかがでしょうか…?

民泊をはじめるためには、たくさんの注意点とポイントがあります。すべてご自身で調べて、相談して、届け出を行うことはとても大変です。

当事務所では民泊や簡易宿所をはじめるサポートを積極的に行っています。民泊届出プランは9万9千円(税込み)からです。

初回相談は無料ですので、どうぞお気軽にメールやLINEでお問い合わせくださいね。(不在のことが多いので、お電話での対応は難しいです)